2018.09.16 Froschritter Orchestra【オルガン編】
いち参加者による超マニアックな #風呂桶 レポート、後編はシンセサイザーパートについてです。
前半の編曲編はこちら
編曲のご依頼をいただいたときにパートリスト(各楽器が何人で特殊楽器や打楽器は何があるか、みたいな資料)を見て、
見つけてしまったのです…
シンセサイザー(パイプオルガン音色のみ)の記述を。
ピアノやエレキベースなどの特殊楽器は募集が無い(企画時点で決まっている)ことがほとんどですが、
運営さんに確認したところ、シンセはまだ決まっていなくて奏者募集予定だ、と。
それを聞いて光の速さでエントリーしました。別に新着順というわけではなかったはずですが。
「パイプオルガン音色のみ」というのがちょっと引っかかってはいましたけど、
(バイクチェイスとか、ボスバトルとかはハモンドオルガン)
最終的にはただの杞憂でした。
M1_旅立ち!夢見る千年祭
タバンとルッカが転送装置にエネルギーを注入するSE。
譜面ではエレキベースの指定でしたが、エレベのあじさんと編曲者のKohmeiさんと相談して奪い取りました。
エレクトーンの横に置いていたちっちゃい鍵盤、KORGのMinilogueはここだけのために持ってきたもの。
当日Twitterで「転送装置の音どっから出てるの?」と話題になっていたのでしめしめという感じです。
結局使わなかったけど、実はラヴォスの鳴き声も2パターンほど作ってありました。
M2_帰ってきた王妃①
団長から本番2週間前にいただいた相談が「エンカウントする瞬間の木の葉のガサガサ、打楽器だと音量が足りないんです…」というもの。
これはキーボードパーカッションを2系統使って、
ボリュームとピッチに差をつけたカバサの音色を交互に鳴らしています。
本当は抜刀のSEと、コマンドセレクトのSEも入れたかった。PAシートを出す前に行ってくれれば楽器増やしたのになぁ…。
10年前から言ってますが、エレクトーンという楽器はサンプリング機能がないのが本当に惜しいと思っています。
M4_消えた王女
「道行く者へ、祈りを…」来た!THEパイプオルガン曲。たぶんこの曲のためだけに募集かけてたでしょ?
調子に乗って最初ごりごりフルストップのオルガン音色鳴らしてたら、編曲者のさゆりさんに
「マノリア修道院はそんなに大きい教会ではないし、中世のオルガンはそんなに響きません!」と怒られてしまったので、
さゆりさんと相談して「素朴な感じ、木の質感のある古びたオルガン」の音色を目指しました。
修正後の音色はけっこう気に入っています。
「ボス・バトル」当初お休みだったのですが、グリッサンドがどうしてもやりたくて譜面書いてもらいました。
音色はジャズオルガンの何かに(忘れた)フルートボイスで高音をちょい足し。
こういうオルガンらしい譜面大好き。
M5_王国裁判
判決後の「隠された真実」。オルガン的にとてもおいしい曲で、
譜面も、右手でリフを引きつつ左手とベースが下降形のコード進行、というとても好きな譜面をさゆりさんが書いてくれて。
すごくすごく楽しく弾かせてもらいました。
メロディが入ってからのところは、本公演唯一の両足ベース(笑)。楽しいーわたしさゆりさんの編曲大好きー。
オーケストラにうまく溶け込めるように、音量はすごく気を遣ってました。
「地下牢に閉じ込められるシーンのSE」…これもわりと直前に頼まれた気がw
キーボードパーカッションの「水たまり」に、エコーをかけたカリンバを薄く混ぜて響きに変化をつけてみました。
M6_廃墟を越えて…
ktkr「ラヴォスのテーマ」!!!
これはM4とは真逆の倍音マシマシパイプオルガン。楽譜にはないけど全部アクセントテヌートで弾くやつ。楽しい!!
M7_不思議の国の工場跡①
原曲に近いオルガン音色を作ってみたものの、一歩間違うと同じ音を出している木管群をつぶしてしまいそうで、
音量感にものすごく悩みました。でもグリッサンドたのちい。
なお私がノリノリだったと噂の「バイクチェイス」ですがお休みでしたorz
原曲も好きだしアレンジが良すぎて、楽しくなって思わず身体が勝手に動いていたらしい…
M12_大地のおきて
「ティラン城」これもオルガン的においしいよね。
譜面は2段譜で上段(主旋律の和音)に5度くらいの跳躍と12度の和音があって、
でも音価いっぱいまで伸ばしたかったので
和音を両手で弾いて、下段のベースラインをペダル鍵盤で弾きました。
M13_魔法の王国ジール
「時の回廊」…主旋律のシタール。
今回の編成にシタールはいない、本来はオーケストラ楽器の何かに書き換えるのが定石。
でも、クロノ・トリガーといったら時の回廊だし、時の回廊といったら記憶に残ってるのはこの音色だよね…。と、
編曲者のさやかさんと運営さんと悩みぬいた末に、
エレクトーンでシタールの音色を出す結論に。
場合によってはひんしゅくを買う覚悟をしていたのですが、団員にもお客様にも納得いただけたようで一安心。
(本物のシタールがその場にいると思ってくださった方もいたみたい)
立ち上がりのピッチベンドは2nd Expペダルで、
伸ばしている音のビブラートはタッチビブラートで、
ソロ楽器らしく微妙にテンポを揺らして、ということを実はやっていました。
音色は旋律がシタール2、
アルペジオはシタール2だとちょっとうるさく感じたのでシタール1。4回あるアルペジオのためにサスティンペダル持ち込み。
M14_とけよ封印 呼べよ嵐
音姫。以上。
M19_運命の時へ…②
「ラストバトル」…唯一、指揮&編曲の大澤さんと音色について話し合ったFantasia(シンセベル)。
原曲に近い音色(GMだとFantasia1、エレクトーンではシンセベル2)だとオケの中かつホールだとどうやっても埋もれてしまう。
当日のホールリハで、もっとキラキラしている(高音が強い)シンセベル1に変更しました。
M4もそうでしたが、編曲者や指揮者から音色についてオーダーいただけるのはすごく嬉しいですね。
期待に即応できるプレイヤーになりたい。
さて、語りつくしたところで私の風呂桶はこれでおしまい。
Twitterでは「アマオケでここまで電子楽器を効果的に使っているのを初めて見た」とのご意見もいただいて、
とてもうれしかったです。
私個人としても、エレクトーン・シンセサイザーの可能性をあらためて感じられる良い機会になりました。
もっと色んなオケで使ってもらえるように、布教活動をしていきたいと思っています。
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